掛軸表装 四国八十八ヶ所 本佛表装仕立て 準金蓮華

こんにちは。五番館の池田です。


今回は県内のお客様より掛軸表装のご依頼を頂きました。  



納経軸は四国八十八ヶ所、釈迦如来(しゃかにょらい)です。

手を開いて胸のあたりに掲げている右手が施無畏印(せむいいん)、

対となる左手が与願印(よがんいん)。人々に安心を与え、願いを叶える表現ですね。  


準金 蓮華 / 富田雲赤 / 透かし本金厚口金軸(黒)


宗派を問わず使用出来る柄の蓮華の裂地(きれじ)です。

とても輝いていますので好みはありますが、紺地に箔蓮華は定番の柄です。

金襴の金箔は準金、アルミ箔がベースになっている金箔が織り込まれています。



歪みなく均一なスジ廻しです。内側は紺色、外側は白色になっています。

このスジ廻しの幅が均等であるかないかで、表装のレベルがある程度判断出来てしまいます。  



柄は歪みがないように丁寧に調整してあります。 

赤色の富田雲の下の蓮華柄が、横一列に真っ直ぐに揃っているのがお分かり頂けますでしょうか。

一見当たり前のようですが、掛軸になる前の織物の状態では自在に動く裂(きれ)のみの状態ですから

裏打ちをして最終的に真っ直ぐの状態にするのは、意外と手間が掛かっています。

五番館ではこういった箇所にこだわる職人しかいません。



風帯は小さいながら、見た目の繊細さを決定付ける重要な箇所です。

さりげなく、目立たないように取り付けられています。



裂地の柄は印象良く配置。



透かし本金厚口金軸(黒)



掛軸の基本ですが、巻いた際に左右の巻(まき)が合っている。



納経時に付いてしまった墨汚れはある程度落とす事が出来ます。ご依頼の際にご相談下さい。



厳選された桐箱を別途ご用意致します。


※写真の箱書きは例です。


湿気から掛軸を守ってくれますので、高品質な桐箱に収納される事をお薦めします。

桐箱無しの場合には、掛軸収納に適した紙箱に入れてお渡しとなります。




今回ご紹介の表装裂地のご案内

準金蓮華(じゅんきんれんげ)


長期の使用を想定した、和紙手打ち三枚裏、本格表装。


※三枚裏とは

まず本紙(納経軸)に対しての裏打ち、その後、裂地を継いだ状態での中裏打ち、

最終の総裏打ちの、合計3回の裏打ちを施します。

簡略された掛軸は1回〜2回の裏打ちで完成されており、耐久性や家宝としての将来性を

考慮していないものが多く存在します。


五番館ではあらゆる箇所にこだわった、家宝に相応しい表装を施します。


納経軸表装へのこだわりについては、こちらのページにてご紹介しております。




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