こんにちは。五番館です。
今回は掛軸の修理でご依頼を頂く「シミ抜き(染み抜き)」について
ご紹介をしたいと思います。
まず今回の本紙の状態ですが、仮の掛軸「仮巻き表装」ですね。
仮巻き掛軸に糊で少し留めてあるのみです。
不敵な笑みを浮かべた(?)達磨さんが笹に乗って川を渡っているという
私の感覚にはドンピシャな画です。
しかし長らく保管されていたのかシミが大量に発生しています。
シミの主な原因は微細なホコリや菌などが付着したまま、悪い条件が整ってしまい
カビが活動を初めてしまうと茶色の変色となります。
原因が原料に含まれている場合もありますので、やはり虫干しなどの予防を
毎シーズンごとにしっかり行う事が大切ですね。
状態としては中程度のシミでしょうか。
これを更に放置してしまうと穴が開いてしまいます。
とりあえず作品保護のため和紙で裏打ちを施しました。
その後、作品を洗浄する専用のプールで染み抜き作業を行っていきます。
まず全体に精製水、薬液を噴霧器でかけて後の作業が馴染む状態にします。
非常に細かい作業なのですが、専用薬液をシミの一つ一つに塗布していきます。
他の作業に比べてとても時間がかかる作業ですね。
このシミがどれほど消えるのか・・・
次回に続きます。
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